国内製油所での実証

国内製油所は様々な種類の原油を原料として精製事業を行っています。原油油種の切替は、実に数日に一度の頻度で発生しており、 その都度常圧蒸留塔の油種切替操作を実施している状況です。

この油種切替操作においては、原油・製品の性状が変動する中、製品品質を優先するため常圧蒸留塔からの灯油・軽油などの 収率を低下させて運転しており、製品ロスが発生しています。

また、油種切替操作においては、流量バランスが崩れる中で省エネ・製品ロス最小化・腐食等の運転制約・早期の切替操作など の広範な影響を勘案しつつ運転を行う必要があり、ルールベースや一つの制御モデルでは表現出来ない運転の複雑さから自動化に は至っていません。

さらに油種切替操作は、運転員の大きな負担であることに加え、運転員の高齢化及び熟練運転員の退職による若返り化、各運転 員の対応範囲が拡大していく中、若手運転員の育成・熟練運転員からの技術伝承においても困難な課題として表面化しています。

現在、実証を進めている油種切替AIシステムの導入により、運転員は油種の切替操作中、リアルタイムにAIシステムから示され る最適なプラント運転パラメータが確認でき、運転員の負荷軽減、灯油・軽油の収率向上、ユーティリティ費用の削減、確実なス キル伝承等の実現が期待されます。

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